« 飯田橋の茶餐廳 | トップページ | 『実録アヘン戦争』読了 »

2015年6月 7日 (日)

白川道さん

何の気なしに本棚にあった白川道氏の『終着駅』をぱらぱらめくっていました。

文庫なので最後の解説欄を読んでいたら、自分はだいたいの小説をエッセーを読んでいたと思っていたのですが、第二作を読んでいないことを発見し、amazonをのぞいていたら、4月にお亡くなりになっていたのを知りました。4月から家にテレビをおいていないので知りませんでした。(テレビがあったとしても白川氏の死去のニュースが放送されるとは思えませんが)


『終着駅』なんて読んでてイタイだろという指摘は横に置いておいて、氏は心に残るセリフをいくつか残してくれました。

白川さんの著書を読み始めたのは、麻雀対局番組を見てこのオッサン(失礼!)の破天荒な人生について興味を持ったからです。小説が先だったかエッセーが先だったか覚えていませんが。

『流星たちの宴』は処女作だけあって、兜町界隈のちょといかがわしい業界について一気に読ませてくれました。『終着駅』の解説にあったように処女作は氏の体験の方が主で、ほとんど実録なんでしょう。第二作の『海は涸いていた』から小説家としての本領を発揮し始めた云々書いてあったので、購入しようとしていたところなのですが、もう氏の新しい作品が、競輪とかギャンブルの小気味好いエッセーが読めなくなるのかと思うと結構寂しい。普通の読者が好きなのは『天国への階段』かなあ、おそらく。


『流星たちの宴』p93 から、梨田が兜町の会社に来て、師と仰ぐことになる見崎から金を貸してもらうついでにこう言われる、

「俺は二通りのタイプの人間を信用しない。平凡を愛していると公言するやつ。そして、自分を縛る美学を持たぬやつ。男を裏切るのはいつもこのどちらかのタイプのやつだ。」


ちょっとベタというかクサイところもあるけれども、そんな氏の作品が好きでした。


Img_4295


本棚から作品を引っ張り出して読み返してみるつもりですが、やはり処女作の『流星たちの宴』がいちばん好きですかね。

ご冥福をお祈りします。



|

« 飯田橋の茶餐廳 | トップページ | 『実録アヘン戦争』読了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41890/61708144

この記事へのトラックバック一覧です: 白川道さん:

« 飯田橋の茶餐廳 | トップページ | 『実録アヘン戦争』読了 »