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2015年6月20日 (土)

"Fast after 50" by Joe Friel 読了

なにげなくFBのタイムラインを見ていたら、Triathlete Magazineで触れられていたので購入。

Joe Friel氏は Gordon Byrn との共著 "Going Long"は何度も読んで参考にさせてもらってます。

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読む前に想像していたのは、50歳を迎えるシリアスアスリートがどうやってパフォーマンス低下に対処すするのかとういう的な本かと思っていたのですが、まあ実際そうなのですが、ホビーアスリートにも十分参考になる内容で気づきもいろいろありました。


運動をしないと早く老化しちゃうよというのはわかりやすいですし、マウスの実験の論文でも明らかなのですが、

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筆者は、加齢によるリミッターとして

- エアロビックキャパシティー(これまで日本語で言うところのアネロビック閾値?)
- 体脂肪の増加
- 筋肉の減少

を挙げて、それぞれに有用な方策を提示しています。

まあ下の二つは感覚的に分かるのですが、一番目のぜーぜーはーはー頑張る域(要はVO2Max)での指標はそんなに問題にあんるのかなと思いました。で、筆者は、

- エアロビックキャパシティー (Aerobic Capacity)
- 乳酸閾値 (Lactate Threshold)
- エコノミー (Economy)

のうちやはりエアロビックキャパシティーの低下がいちばん加齢の影響を受けると論文その他をひいて論じています。


10年20年に渡って同じランナーを追跡し、加齢によりほどほどにトレーニングの質を落としたグループと、同じ強度を保った(もちろん加齢により回数頻度は減るでしょうが)グループを観察した時、後者の方が年を経るごとに明らかにVO2Maxの低下が少ないという論文があり、この辺を導入としながら読み進むことができます。

まあよくよく考えると、エアロビックキャパシティー、すなわち VO2Max が低下しちゃっているということは、心臓が小さくなってしまって、血管の柔軟性から毛細血管も十分に発達していない状態というわけで、ロングのトライアスロンでぜーぜーはーはーしないにしても、結果としてエンジンの大きさにパフォーマンスは影響されるわけで、なんとなく納得行ったわけです。


もどりまして、先の3つのリミッターを改善もしくは進行を遅らせるためには、筆者は高強度トレーニング、すなわちインターバル的なストレスフルなトレーニングと筋トレを日常のトレーニングに含むことを勧めています。

先の「筋肉の減少」については、インターバルと筋トレが有用であるのは容易に想像できますが、それらのトレーニング後のリカバリー期間では、メタボリックシステムが脂肪を消費しタンパク質から筋肉を合成するのに活発な状態になっているので、結果として加齢による体脂肪の増加を抑えられる、と私は読みました。

よくよく考えると、某ライザップの減量方法も、徹底した食事療法に重点を置き、ジムでのワークアウトの回数/頻度はそんなでもないと聞きます。一度食事療法で糖質に依存しない脂肪を燃やせるメタボリックシステムが優位になれば、筋トレをやればしばらくの間脂肪燃焼が優位なシステムが働くことは想像できます。

インターバルもしくは筋トレで筋合成/脂肪燃焼系のシステムが活性される云々の点に関連して、筆者はLSD神話についての矛盾を指摘し、同じシンドさ(すみませんアバウトで)に値する LSDとインターバルをした場合、運動を終えた後の消費カロリーはLSDの方が勝っているが、インターバルの後ではリカバリー期間中も脂肪が燃え続けるので結果として高強度トレーニングの方がフィットネスを維持するのには有用だと言いっています。

また、ロングディスタンスの大会に参加する者としては、高強度トレーニングを日常トレーニングに取り入れることによって、いわゆる遅筋が発達せず実際のレースであまり使われない速筋が発達してしまうのではないかという懸念がありますが、その点は実際のレースでは遅筋の役割を速筋が担っていくようなことが書いてあった気がします。この辺はロジックを全て理解したわけではないので、引用先の文献を読んでみないとわかりませんが。

一般的な加齢に伴う脂肪の増加という話に戻りまして、知られているように加齢に伴いテストステロンの分泌が減少し、もともとテストステロンの存在で抑えられていた Lipo-protein Lipase (LPL) の活動が加齢により活発になり、結果として脂肪が蓄積されてしまうんですが、

まあ加齢によりテストステロンが減少してしまうのは如何ともしがたいんですが、それに加えてインシュリンが増えると LPL が活性化しさらに脂肪が蓄えられてしまう、という気づきもありました。

パレオダイエット的な食生活、およびグリセミックロードを考えた食事の取り方の正しさを再認識しました。


非常に単純な話として、若いころにくらべて同じ量のタンパク質を摂っても筋肉の再生に回されるのが少ない。よってより多くのタンパク質を食べるべき、というのも身につまされました。


自分なりのまとめとしては、常に記録向上を狙うアスリートだけでなく、なんちゃってアスリートも歳を取ってからのより良い充実したフィットな人生を考えれば、高強度トレーニングを日常トレーニングに織り込むのは有用だと思いました。
もちろん筆者は増大する故障のリスクにも言及しリカバリー/レストの章も設けているのですが、要は自分のカラダの声に耳を傾け、教科書的はトレーニングウィークは必ずしも7日である必要はなく、1週が8日9日の計画を立ててレストを2日3日取ることも推奨していました。



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